01.オルビス オフクリーム開発ストーリー
クレンジングは私に還る大切な時間
オルビスの考えるまったく新しいクレンジングとは?
忙しい現代女性にとって毎日のメイク落としは、ちょっぴり面倒な単純作業になりがちです。
しかし、スキンケアの0ステップであるクレンジングは、肌のためには欠かせない大切な行為であり、1日頑張った自分をオフモードへと切り替えるスイッチでもあるはずーーそう考えたオルビスは、「ただ落とすだけ」ではない、まったく新しいクレンジングクリームを生み出しました。
一人ひとりがここちよく美しく輝けるように。
「オルビス オフクリーム」に込められた思いを3名の開発スタッフに伺いました。
PROFILE
馬場(Baba)
オルビス株式会社
商品企画部 主任
2015年に入社以来、メイク分野全般の商品企画に携わる。現在はスキンケアを担当。
「オフクリーム」ではコンセプトの構築から、内容物の処方開発、商品の販売企画までを一貫して担当。
川畑(Kawabata)
ポーラ化成工業株式会社
製品設計開発部
エビデンスセンター研究員
製品開発の研究員として美白や抗シワ、保湿など多岐にわたる新商品開発に携わる。
「オフクリーム」では心に働きかける感性価値の創出、検証実験によるデータ構築を担当。
小方(Ogata)
ポーラ化成工業株式会社
製品設計開発部
内容物開発センター研究員
これまでにスキンケアやメイクアップなど、化粧品アイテム全般の製剤設計・開発に従事。
「オフクリーム」では主に内容物の安定性の追求、テクスチャーを中心とした品質面に注力。
本当に使いたくなるクレンジングを作りたい。
コンセプトは「肌と心をほぐし*、オフモードに切り替える」
*肌にうるおいを与えやわらかくすること、そのここちよさを感じること
馬場
私たちが実施した聞き取り調査から、毎日のクレンジングは肌のために大切だと認識している一方、ちょっと面倒だと感じていたり、「やらなければいけない」とプレッシャーを感じたりしている女性が非常に多いということがわかりました。このギャップをきっかけに、クレンジングの本当の役割や価値を改めて考え直す必要があると思ったんです。
川畑
毎日、仕事にプライベートに頑張る女性たちは、ヘトヘトになって帰宅しメイクをオフしたら、やっとリラックスタイムへと移ります。このように女性の1日の流れを考えたことがポイントだったんですよね。
馬場
クレンジングはオンとオフの境目にあるものだということに気がついたんです。この時間が自分の肌と心と向き合う、癒しへとつながるスイッチに変わったら……そう考えたとき、「肌と心をほぐしてオフモードへ」というコンセプトは生まれました。
川畑
まず、はじめに馬場さんからご相談いただいたのは、肌研究のプロであるポーラ化成だから実現できる肌への効果はもちろん、「ただメイクを落とすだけ」のクレンジングではなく、心にもアプローチできるようなものを作れないだろうか、ということでした。
うるおいをキープする「セレクトクレンジング成分*」と
なだらかにとろける極上のテクスチャー*肌本来のうるおいを守る洗浄成分
馬場
まずは「肌をほぐす」ことについてお話しします。スキンケアブランドとしてクレンジングができる肌へのアプローチとは何だろう、と考えました。
川畑
日中、肌は乾燥や紫外線、皮脂とメイクが混ざったメイク汚れなど、さまざまな刺激やダメージを受けています。「肌をほぐす」とは、こうした影響によって硬く、こわばった肌をやわらかく整えること。「オフクリーム」は、汚れをしっかり落としながらも肌に必要な成分は残して、うるおいをキープする肌環境を整えてくれるのです。
小方
一般的*に使われている主なクレンジング成分は、肌のうるおいを保つために必要な、水分や油分までも洗い流してしまう傾向があります。一方、「オフクリーム」は、メイク汚れだけになじむ「セレクトクレンジング成分」を配合しているため、うるおいを奪わずにしっとりした洗い上がりを実現できるのです。さらに、肌の水分を抱え込んでキープする保湿成分も入っているので、その後のスキンケアも受け入れやすい状態に整えます。
*自社品
馬場
肌への効果ももちろん、今回こだわったのは心までときほぐされるような、本能的にここちいいと感じるテクスチャーです。最初はこっくりとした感触で、伸ばしていくうちにクリームが汚れを巻き込み、オイル状に変わります。この変化がメイクの落ちた合図です。
小方
このテクスチャーの変化にはものすごくこだわりましたね。馬場さんと何度もやりとりを重ねました。
馬場
これまで一般的*なクリームクレンジングは、感触の変化が急激なものや、逆にいつまでも硬いまま肌の上に残ってしまうものが多く、使いここちに不満を持つ方も多かったと思います。小方さんには、「こういう急勾配の変化の仕方ではなく、できる限りなだらかに」と線に書いて説明し、最後まで微調整を続けました。
小方
「オフクリーム」の開発に関わるまで、クレンジングは早く、よく落ちるものがいいと思っていました。ですが、製作途上のものを実際に顔に塗ってみると、肌になじませているその時間がとてもここちよく、「なるほど」と思いました。早く、ということよりも、このゆっくりとした時間が大切なんだと。自分自身、徐々に肌と心が解きほぐされていくのを体感し、クレンジングの概念が変わりましたね。
*自社品
丁寧な実証実験で捉えた心の変化。
大切なものを撫でる「秒速5センチメートル」のアプローチ
馬場
なぜ、こんなにもテクスチャーにこだわるのかというと、クレンジングは、1日を終えた肌に最初に触れるものだからこそ、その触感が心にも大きく影響すると考えたからです。
川畑
肌の中には、圧力や温度、痛みなどを感じるさまざまなセンサーが備わっているのですが、その中の一つに“秒速5センチメートル”に反応するセンサーがあるんです。たとえば、ペットを撫でるときやお母さんが子どもを撫でるときは、無意識にこの速さになる。本能的に安心感やここちよさを感じるとわかっているんです。これをクレンジングにも生かすことができるのではないかと考えました。
馬場
この“秒速5センチメートル”を再現するためには、肌の上にのせた「オフクリーム」が、円を描くように伸ばすことで体温に反応して徐々に変化していくとろけ感、そして肌に密着する厚み、ゆっくりとした動作に導くコク。このテクスチャーが重要だったわけです。しかも、ただなんとなく“ここちいい”だけでなく、それを科学的に証明することにもこだわりました。
川畑
ただ、心の反応を検証することには苦労しましたね。実験をするにあたって注目したのは自律神経です。私たちは興奮しているとき交感神経が優位になり、リラックスしているときは副交感神経が優位になります。つまり、“秒速5センチメートル”で肌にクリームを馴染ませたとき、副交感神経が優位になるということを実証できれば、コンセプトにつなげることができます。
馬場
どのような実験をしたのですか?
川畑
瞳の変化を測定しました。人は、交感神経が優位になると瞳孔がキュッと縮み、リラックスすると開くんです。実験では、測定する環境にもこだわり、一日の終わりを再現して検証を行いました。こうした精緻な実験により、実際にリラックス効果が得られることを確認できました。
現代に生きる女性たちにこそ体感してほしい。
一人ひとりに寄り添う、とっておきのクレンジング時間
馬場
忙しい日々の中に、癒しの時間を作るため、ハーブティーやアロマなどプラス1アイテムを取り入れたり、何か新しい行動を起こしたりするのはなかなか難しいですよね。でも、クレンジングなら日常の中に組み込むことができます。
小方
「オフクリーム」は、頑張っている女性にこそ使っていただきたいアイテムです。現代社会では、毎日たくさんの情報に触れ、考える時間も多くなっていて、気づかないうちに疲労やストレスが溜まっている方が多いと思います。そんな疲れた頭をいったん落ち着かせるためにも、クレンジングの時間を有効に使ってほしいと思います。
川畑
“秒速5センチメートル”でクレンジングをしていると、それまで外側を向いていた気持ちが自然と自分の内面に向いて、呼吸も深く整ってくるのを感じます。「今日、こんなことがあって、こんなこと頑張ったよね」と、自分に語りかける時間は、「明日も頑張ろう!」というポジティブな気持ちもつながるのではないでしょうか。
馬場
女性たちの日常のここちよさを追求することで生まれた「オフクリーム」。クレンジングという「モノ」ではなく、一人ひとりが自分らしく輝くために寄り添ってくれるそんな「存在」になってくれたらと願っています。