こちら、ぐっすり研究部#1|私の眠りの質はいい? 悪い?
睡眠は日常生活、健康、そして美しくあるための土台。オルビスは、睡眠のことをそう考えています。
そこでオルビス編集部では、「睡眠の質を上げていこう!」 を合言葉に、「ぐっすり研究部」を立ち上げました。毎回、睡眠の専門家を訪ねて、快眠の条件や不眠、日中の過ごし方など、さまざまな角度から睡眠を考えていきます。
第1回は、「そもそも良い眠りってなんだろう?」という私たちの疑問を解消するために、快眠プロデューサーの岩田アリチカさんに「眠りの質」についてお聞きしました。
良い眠りと悪い眠り。その違いは何だろう?
――「質の悪い眠り」で思い浮かぶのは、寝不足だったり、起きたときの体のだるさだったり。反対に「質の良い眠り」は、私の場合、日中の爽快感ですね。岩田さん、そもそも良い眠りとはどういうものですか?
良い眠りの条件は4つあります。
・寝つきがいい(寝床に入って30分以内に眠れればOK)
・途中で目が覚めない(覚めたとしても、またすぐに眠れればOK)
・寝覚めがいい
・日中、眠くならない(午後、一時的に少し眠くなるのはOK)
この条件を満たしていなければ、眠りの質が悪いかもしれないと疑ってみる必要がありますね。
昼間、会議の最中に決まってウトウトしてしまうという方も、これに当てはまります。
さらに補足すると、眠り始めの3時間に熟睡できるかどうかも、眠りの質を左右する重要なファクターです。この時間帯に深く眠れると成長ホルモンがまとまって分泌され、疲労回復はもちろん、美容にも大きな効果が期待できます。
――私はあまり良く眠れていないかも。そういう人は多いですか?
自分の睡眠に満足できていない人は、5人に1人といわれています。中でも、仕事や育児に忙しい30~40代の女性は、最も睡眠時間が短いそうです。
さらに、この年代になると徐々に「睡眠力=眠り続ける力、深く眠る力」が下がり、眠りの質が落ちていきます。
生活習慣と睡眠環境を整えて、そんなハンデを上手にカバーするように心がけましょう。
大事なのは、生活リズムの規則性を保つこと
――平日の寝不足は仕方ないと割り切っている私は、休日の寝坊がとても楽しみです。それも、睡眠不足の解消になりますよね?
1〜2日分の睡眠不足を解消するために、翌日ちょっとくらい寝坊するのはいいですが、普段から睡眠が足りていない人が休日に寝だめをするのは、逆効果です。
起きる時間を遅くした分、日曜日の夜の就寝時間が後ろ倒しになって、睡眠不足で月曜日を迎えたりしていませんか?そのとき体内では、海外旅行に出かけたときのような混乱状態が起きています。つまり体の中のリズムが乱れて、脳が時差ボケ状態になっているんですね。
――たくさん寝ればいいというわけではないんですね…。
その通りです。良い睡眠に何より大事なのは、生活リズムを一定に眠ること。私たちの体は、体温の上昇とともに覚醒し、体温が低くなるにつれて眠くなるというように、約1日の周期でリズムを刻んでいます。
そこでまずは、毎朝の「起床時刻」だけそろえるよう意識してみてください。起きる時間が一定になれば、自ずと眠くなる時間も決まってきて、生活リズムが整っていきます。
ポイントは、夜更かしをしても翌日起きる時間を変えないこと。やむなく時間をずらす場合は、2時間以内におさめるようにしましょう。まずは一カ月、トライしてみてください。
睡眠にパーフェクトを求めすぎないで
――ここまでで、私の睡眠に対する認識がかなり間違っていることに気づきました…。快眠のために、ほかにも気をつけることはありますか?
昼はしっかり起きて、夜は深く休むというように、昼夜のメリハリをつけることも大事です。
日中は外に出て日光を浴びたり、人と会ったり、軽い運動をするなど、程よい刺激を受けることで、夜の睡眠が深くなります。
睡眠を改善するには、「①生活リズムの規則性を保つこと」「②睡眠環境を整えること」の2本柱でアプローチするのが理想です。
ただ、いきなり全部をやるのは大変なので、「これならできそう」と感じることを1つか2つ始めてみてはいかがでしょうか?
「会社帰りに一駅分歩いてみよう」「寝る前のスマホはやめよう」というように、小さなことから少しずつ広げていけば、睡眠の質は確実に上がっていきますよ。
――できることを1つから。それなら続けられる気がします!
もう一つお伝えしたいのは、睡眠に「パーフェクトを求めすぎない」ということ。
最近、睡眠に関する情報をあちこちで目にするため、「快眠を得なければ」とプレッシャーを感じてしまう方も多いと思うんです。
けれど皮肉なことに、不眠の一番の原因は本人が「眠れないかも」と不安に思うがあまり、かえって眠れなくなることだそう。そもそも、睡眠の質は日中の過ごし方や季節によって変わるものなので、毎日同じように眠れるなんてことはありません。
だいたい眠れたらOK、眠れない日がたまにあっても、翌日カバーすれば大丈夫。そんなゆったりした気持ちで、睡眠と付き合ってほしいですね。
■第2回研究テーマ:私に最適な睡眠時間って?
チェックする>
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お話を伺ったのは……
岩田アリチカ/快眠プロデューサー
快眠術の専門家。1983年、江戸時代から続く寝具専門店である株式会社イワタに入社。1988年より独学で睡眠の研究を始める。睡眠関連商品・寝具の開発のほか、睡眠環境・睡眠習慣のコンサルティング、眠りに関する教育研修、睡眠環境アドバイザーの育成など、その活動は多岐に渡る。近年は、異業種とのコラボレーションや大学との共同研究など、ますます活動の幅を広げている。
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