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ピルって、実際どうなの?メリット・デメリットを教えて!|なんでも相談室「今日はどうされましたか?」 #9

スキンケアに関する疑問から、カラダのお悩み、生活習慣のことまで、みなさんが気になることならなんでもOKの相談室。毎回、1つの悩みをテーマとして取り上げ、お答えしていきます。

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お悩みにお答えするのは…
相談員 高尾美穂

女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター。ヨガドクターとしても活躍し、診療のかたわら、講演活動も行う。

助手 清水 尚美

オルビスのアプリコンテンツの制作を担当。時には寝込んでしまうほどの月経困難症あり。同じく生理の重い友人2人から「ピルで症状が改善した」という話を立て続けに聞き、数ヶ月前からピルの服用を始めたばかり。


本日のお悩み

「ピル」に興味があるけれど…。飲み始めようか、迷ってます。

生理のたびにやって来る、ひどい腹痛と気だるさにもううんざりしています。ピルの服用を考えていますが、初めての使用になるので、何かリスクがないか心配です。

月経・排卵を司るホルモンを、ピルでコントロールする

写真:清水
清水
先生、そもそも「ピル」ってどんなお薬なんですか?

写真:高尾
高尾
ピルは、2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が含まれた薬のこと。これらはそもそも、私たちの体で作られているホルモンで、月経・排卵周期をコントロールしているホルモンです。

写真:清水
清水
そういえば、生理前に肌荒れするのもホルモンの変動に関係があると学びましたね(詳しくは#2「生理前の肌荒れ、なんとかなりませんか?」へ!)。この2つのホルモンの分泌量が変わることで、私たちは心身ともに変化を感じているということでしょうか?

写真:高尾
高尾
その通り。私たちの体は月に一度、排卵に向けてエストロゲンの分泌量が増えていき、排卵を終えると今度はプロゲステロンの分泌が増え、月経が始まるとどちらのホルモンも分泌量が減る、という変化を経験しています。

写真:高尾
高尾
ピルを飲み続けることで、体はこれらのホルモンがすでに体内にあると錯覚をします。自分で分泌しなくていい状態だと考えるわけです。つまり、ホルモンを分泌し、ホルモン量が変化することで起きる心身の浮き沈みも感じずに済む、ということですね。

メリットとリスク、どちらが大きい?

写真:高尾
高尾
ピルを使うメリットはいくつかあります。まずは避妊ができること。

写真:清水
清水
妊娠のタイミングをコントロールできるのは、大きいメリットですね。

写真:高尾
高尾
あとは、出血量そのものや出血に伴う痛みを減らせる、生理前の不調を緩和できる、出血の時期を把握できる…など、生理に伴う不調や手間をある程度軽くできます。他にも、長く服用することで卵巣がんや大腸がんのリスクが下がることも知られていますね。

写真:清水
清水
反対に、デメリットは何かあるのでしょうか。

写真:高尾
高尾
毎日飲み続ける必要があるので、面倒くさく感じる方が多いかもしれません。予定日以外に起こる出血、むくみ、胸の張り、吐き気を感じる場合もありますが、これらはマイナートラブル。体が慣れると、次第にそういったこともなくなっていきますよ。

写真:高尾
高尾
あと、ピルのリスクとして知っておいていただきたいのは血栓症です。これはマイナートラブルというよりも、ピルに含まれる「エストロゲン」の副作用なので、血栓症が一度でも起これば、それ以降ピルは使えないというくらいのリスクです。

写真:清水
清水
えっ、ちょっと怖くなってきました…。

写真:高尾
高尾
ただ、血栓症を起こしやすいのは、年齢が高めの方、喫煙する方、肥満で血圧の高い方など。これらに当てはまらないのならそこまで心配しなくていいわけですが、ピルの処方には医師の診断が必要ですので、相談してくださいね。

ピルがイヤなら、それ以外の選択肢も

写真:清水
清水
月経困難症がひどくて、私もしばらく前からピルを飲み始めたんです。今では生理自体が軽くなって、鎮痛剤をほぼ飲まなくてもいいほど楽になりましたが、マイナートラブルがおさまらず…。ピル以外にも、何かいい方法はあったりするのでしょうか?

写真:高尾
高尾
「プロゲステロン」だけを含む「プロゲスチン製剤(通称・P剤)」というお薬がありますよ。これには「エストロゲン」が入っていないので、血栓症の心配もありません。ここ数年でジェネリックのP剤が登場して、ピルと変わらない価格になりました。

写真:清水
清水
ピルに挫折したら、乗り換えてみようかな…!

写真:高尾
高尾
いいと思いますよ。P剤のマイナートラブルでいうと、不定期でポツポツと、おりものシートで済むくらいの量を出血することがあります。私は「生理の分割払い」と説明しています(笑)。生理というまとまった出血の期間自体がないので、生理前という時期もなく、生理前の調子がイマイチな人もこれで楽になる場合があります。

写真:清水
清水
お薬もいろいろと進化しているんですね。

写真:高尾
高尾
そうなんです。上手く利用してほしいなと思います。特に、生理前から十分辛いのに、生理が来たらもっと辛くなるだとか、生理周期がバラバラで、かつ、来ると重いだとか、そういう複数の辛さを抱えている方はトライしてみるいいですね。

本日の学び

ピルはお金がかかるという意見もありますが、私の場合は、いろんな種類のナプキンや温めグッズ、鎮痛剤など生理に伴う不快感を解消するためのグッズにかけていた費用とピルの費用と、トントンな印象。私のように月経困難症にお悩みの方は、ピルの服用を婦人科の先生と相談してみてほしいです。(清水)

監修/高尾美穂
編集/間野加菜代(Cumu)
イラスト/itoaya

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