人生100年時代をここちよく、いつまでも快適に|ウェルネス大事典 #3 EYES/TEETH
気になる老化に向き合い、健康で美しく過ごすには何が大切なのでしょうか。「髪」「肌」「目」「歯」「筋肉」「骨」の健康とケアのポイントについて、専門家に聞きました。#3では目と歯と歯周組織編をお届けします。
EYES 目
\こんなお悩みありませんか?/
□ 近くが見づらくなってきた ⇒老眼
□ 眩しく感じるようになった ⇒白内障
□ 片目で見たとき、歪みや欠け、かすみがある ⇒加齢黄斑変性症
□ 見える範囲(視野)が狭くなる ⇒緑内障
*チェックがつく人は、これらの病気に注意しましょう。
年を取ると……
視力低下やかすみ目に要注意
「加齢で起こる目の症状や病気の代表的なものは、老眼、ドライアイ。特に注意したいのは白内障、加齢黄斑変性症、緑内障です。白内障では、眩しく感じたりかすんで見えてきます。緑内障は予防が難しいのですが、40歳から増えるため、輪郭がはっきりしない、かすんで見えるなどは要注意。50歳から増える加齢黄斑変性症は、歪んで見える、見えない部分がある、視力低下などの症状に注意してください」
ケアのポイント
40歳以降は定期的な眼科検診を心がけて
早期発見や予防のために、私たちがすべきこととは?
「更年期以降は、目の病気が増える年齢。特に緑内障は日本人の失明原因の第1位でもあり、早期発見には定期的な眼科検診が大切なので、40歳を過ぎたら欠かさず行ってください。また、せめて寝る前だけでも、スマホやパソコンの時間を減らすことも重要。目の調節機能を整えるエクササイズや血行をよくするアイマスクも取り入れてみて」
WHAT TO DO
親指を見つめながら近づけたり遠ざけたりするエクササイズを。遠くを見るのもおすすめ。
温かいアイマスクを載せ、目を閉じて眼球を上下左右に動かすと目疲れ改善に。
TEETH 歯と歯周組織
\こんなお悩みありませんか?/
□ 唾液の量が減ってきた
□ 口臭が気になる
□ 歯ぐきが腫れてきた、血が出る
□ 歯ぐきが下がった気がする
*チェックがつく人は、歯周病に気をつけましょう。
年を取ると……
更年期以降リスクが高まる歯周病ケアが大事です
「女性ホルモンのエストロゲンの減少で、唾液の質や量が低下しドライマウスになり、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。特に歯周病は、心臓や脳の病気、糖尿病、誤嚥性肺炎、肥満症、骨粗しょう症などと関連があるので要注意。喫煙も歯周病リスクが高まります。ドライマウスなど乾き症状がひどい人は、自己免疫疾患のシェーグレン症候群の可能性があるので、膠原病・リウマチ科などの受診を」
ケアのポイント
セルフケアに加えて歯科での検診を
更年期以降の口腔ケアで、どんなことに注意したらよいでしょう。
「歯磨きは、歯ブラシだけでなくフロスも併用し、1日1回は丁寧に磨きましょう。唾液分泌のために、自分で唾液腺マッサージをするのもいいですね。また、歯科検診も定期的に。年を重ねても歯を保ち、自分の歯で噛んで食事することが重要です。目標は80歳で20本。歯の本数が減ると咀嚼機能が低下し、心身の機能の低下にもつながってしまいます」
WHAT TO DO
耳の下にある唾液腺をマッサージ。舌をグルグル回すのも唾液分泌に◎。
教えてくれたのは…
銀座医院 院長補佐、抗加齢センター長
久保 明先生
東海大学医学部医学科客員教授。医学博士。老化度を科学的に測るエイジングドックを開発。予防医療とアンチエイジング医学の最先端の情報を提供。著書多数。
取材・執筆
増田美加(女性医療ジャーナリスト)
数々の女性誌などで当事者視点に立った女性のヘルスケアや医療情報について執筆、講演を行う。著書も多数。NPO法人「女性医療ネットワーク」理事も務める。
イラストレーション/naohiga
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