ワンテーマで簡単&おいしい食卓に。1週間お助け夕飯献立#11
忙しい平日のお手軽夕飯や休日にのんびり作りたい夕飯を、テーマ別にご紹介する連載。今回は、茶葉や茶殻などを活用した、お茶の香りが楽しめる栄養豊富な献立をご紹介します。
今月のテーマ:お茶をまるごと食べる
1. 栄養素が豊富に含まれるお茶。茶葉や茶殻を食べれば、お湯で抽出できない有効成分を無駄なく摂れます。
2. お茶には水溶性と不溶性の2種類の食物繊維が。飲むと食べるを組み合わせて、両方の食物繊維を摂取して。
3. 茶葉や茶殻にはビタミンAも豊富。抗酸化作用があり、肌を整え、爪や髪をすこやかに保ちます。
月
香りがふわっと広がる具だくさん炊き込みご飯
お茶の中でも香り高いウーロン茶は、ポリフェノールが豊富で、新陳代謝を活発にするうれしい効果も。茶葉をそのまま炊き込んだご飯は、香りも栄養もたっぷり。
ウーロン茶入り中華おこわ風炊き込みご飯
[材料](作りやすい分量)
米…2合
豚肩ロース肉(とんかつ用)…150g
A
塩…小さじ1/4
こしょう…少々
ゆでたけのこ…100g
干ししいたけ(水につけて戻しておく)…3~4枚(乾燥15g)
ショウガ…1片(15g)
B
しょう油…大さじ1と1/2
酒…大さじ1
オイスターソース…大さじ1
砂糖…小さじ1
水…適量
ウーロン茶(茶葉)…10g
[作り方]
1 米は洗って15分くらいザルに上げておく。
2 豚肩ロース肉は1cm幅の棒状に切り、Aで下味をつける。
3 ゆでたけのこは3cm長さのくし切りにする。干ししいたけは水気をしぼり、石づきを取り薄切りにする。ショウガは千切りにする。
4 炊飯器に1とBを入れて、2合の目盛りまで水を加える。
5 ウーロン茶、2、3を加えて炊飯する。炊き上がったらさっくり混ぜ、器によそう。
▶▶白菜とユズの浅漬け
白菜(300g)は短冊切りにし、ユズ(1/2個)は薄いいちょう切りにする。ポリ袋に入れ、塩こうじ(大さじ1と1/2)を加えて軽く揉み、しんなりするまで冷蔵庫でおく。
火
茶葉を一緒に混ぜるだけ!栄養満点ハンバーグ
緑茶の栄養をそのまま食べられるハンバーグ。緑茶に含まれるビタミンCは、カテキンの作用で熱を加えても破壊されないのが特徴。爽やかな香りがアクセントに。
和風緑茶ハンバーグ
[材料](2人分)
玉ネギ…1/4個(50g)
A
卵…1/2個
牛乳…大さじ2
乾燥パン粉…大さじ2
緑茶(茶葉)…5g(約大さじ1)
塩…小さじ1/2
白こしょう…適量
合いびき肉…250g
サラダ油…大さじ1/2
レンコン(輪切り)…4~6枚
ミニトマト…2個
ゆでホウレンソウ…適量
B
大根おろし…200g
酒・みりん・しょう油…各小さじ2
[作り方]
1 玉ネギはみじん切りにして耐熱容器に入れ、サラダ油小さじ1/2(材料外)を加え混ぜる。ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱し、粗熱を取る。
2 ボウルにAと1を入れて混ぜ合わせる。
3 2に合いびき肉を加え、粘り気が出るまでよく混ぜて2等分し、空気を抜くようにして成形する。
4 フライパンにサラダ油をしいて中火で熱し、3を並べて焼く。焼き色がついたら裏返し、水大さじ3(材料外)を加えて弱火にし、蓋をして6~7分焼く。一緒にレンコンと2等分したミニトマト、ゆでホウレンソウも焼く。
5 焼けたら取り出して皿に盛りつける。あいたフライパンにBを加えて強火で3~4分煮詰めてソースにし、ハンバーグにかける。
▶▶カブのポタージュ
カブ(4個・370g)は茎を切り落とし、皮付きのまま薄切りにする。バター(15g)、鶏がらスープの素(小さじ1)、水(150mL)と一緒に鍋に入れて火にかけ、沸騰したら蓋をして弱めの中火で10~15分煮る。牛乳(100mL)を加えてなめらかになるまでミキサーにかけ、鍋に戻して塩・こしょう(各少々)で味を調える。器によそい、お好みで黒こしょう(適量)をふる。
水
ゴロゴロ野菜が食べごたえ◎ 中華風のピリ辛炒め
胃腸が疲れたと感じる日は、食欲増進や胃腸の調子を整える働きもあるウーロン茶を取り入れて。茶殻を合わせた炒め物は、ピリッと辛いご飯が進む味。
鶏とレンコンのウーロン茶炒め
[材料](2人分)
鶏もも肉…1枚
塩・こしょう…各少々
レンコン…150g
インゲン…4~5本
ゴマ油…大さじ1/2
乾燥唐辛子…1/2本
A
みりん…大さじ1と1/2
酒…大さじ1
味噌…大さじ1
しょう油…小さじ1
ウーロン茶(茶殻)…20g(茶葉5g分)
[作り方]
1 鶏もも肉は大きめのひと口大に切り、塩・こしょうで下味をつける。レンコンは皮をむいて乱切りに。インゲンはヘタを除いて3~4等分の長さに切る。
2 フライパンにゴマ油を熱し、1の鶏もも肉を皮目を下にして並べ、あいているところに1のレンコンと乾燥唐辛子を加えて焼きつける。
3 焼き色がついたら裏返し、1のインゲンを加えて蓋をして、中火で約3分鶏肉に火が通るまで焼く。
4 Aとウーロン茶の茶殻を加えて炒め合わせ、器に盛る。
▶▶キャベツとニンジンのゴマ酢和え
キャベツ(150g)はひと口大に切り、ニンジン(50g)は細切りにする。耐熱容器に入れてふんわりラップをかけ、電子レンジ(600W)で2分加熱。粗熱が取れるまで冷まし、すりゴマ(大さじ2)、酢(大さじ1/2)、めんつゆ(3倍濃縮・大さじ1)で和える。
木
旨みが出たスープも一緒に。エスニック風味の煮物
茶葉や茎を炒って作られるほうじ茶は、独特の香ばしい香りが特徴。カテキンやカフェインが少なめでさっぱりとした風味なので、お肉料理にもぴったり。
スペアリブと大根のほうじ茶煮
[材料](2人分)
スペアリブ…400g
大根…200g
A
長ネギの青い部分…1本分
ショウガ (薄切り)… 2~3枚
ニンニク…1片
ほうじ茶…400mL
酒…大さじ3
鶏がらスープの素…小さじ1
しょう油…大さじ1/2
塩…小さじ1/4
黒こしょう粒…小さじ1/4
塩…少々
こしょう…少々
三つ葉…適量
[作り方]
1 鍋に湯(材料外)を沸かし、スペアリブを入れて表面の色が変わったらザルに上げて水気を切る。
2 大根は1cm厚さのいちょう切りにする。
3 きれいな鍋にAと1、2を加えて火にかける。沸騰してきたら弱火にして蓋をし、30分煮る。長ネギの青い部分は取り出し、塩、こしょうで味を調えて器によそい、三つ葉をのせる。
▶▶青菜ときくらげのさっと炒め
4cm長さに切った小松菜(3株・120g)、食べやすい大きさに切った生きくらげ(50g)、ショウガ(10g)の細切りを炒める。酒(大さじ1)、鶏がらスープの素(小さじ1/2)、しょう油(小さじ1/2)を入れて炒め合わせる。塩・こしょう(各少々)で味を調える。
金
エビの甘みを引き立てる、緑茶が香るかき揚げ
茶殻にはカテキンなど約40%の有効成分が残っているので、食材として活用を。水気を切った茶殻を天ぷらの衣に混ぜて香り豊かなかき揚げに。揚げ油は少なめでOK。
緑茶とエビのかき揚げ
[材料](2人分)
むきエビ…150g
A
天ぷら粉…大さじ4
水…大さじ4
緑茶(茶殻)…75g(水気を切ったもの・茶葉15g分)
油…適量
塩・レモン・天つゆ・大根おろし…各適量
[作り方]
1 むきエビは背ワタを除き、3等分くらいに切る。
2 ボウルにAを混ぜ合わせ、1と茶殻を加えてさっくり混ぜる。
3 フライパンに1cmくらいの高さまで油を入れ、170℃くらいに熱する。2を6~8等分ずつスプーンですくって加え、各面を約2分ずつ、両面がかりっとするまで揚げる。
4 器に盛りつけ、塩・レモンと天つゆ・大根おろしをそえる。
▶▶キノコとレンコンのオイスターきんぴら
フライパンに油(適量)を熱し、お好きなキノコ(200g)を入れ、焼き色がついてきたら薄切りのレンコン(80〜100g)を加えて炒め合わせる。酒(大さじ1/2)、オイスターソース(小さじ1)、しょう油(小さじ1)、みりん(小さじ1)で味つけ。好みで七味唐辛子(適量)をかける。
土
からだの中から温まるやさしい味わいのお鍋
ほうじ茶ベースの出汁で、季節の具材をたっぷり煮たお鍋。鶏つくねに混ぜた茶殻が、食感のアクセントに。爽やかな風味の緑茶ゼリーは、シロップで甘みの調整を。
ほうじ茶入り鶏つくね鍋
[材料](2人分)
ほうじ茶 (茶葉)…3g
熱湯…600mL
鶏ひき肉…200g
A
ショウガのしぼり汁…大さじ1
酒…大さじ1
片栗粉…大さじ1/2
塩…2つまみ
油揚げ…1枚
長ネギ…1本
ゴボウ…80g
まいたけ…1パック
小松菜…3株
B
しょう油…大さじ1と1/2
酒…大さじ1
みりん…大さじ1/2
塩…小さじ1/4
ゆでうどん…適量
[作り方]
1 ほうじ茶は分量の熱湯を注いで2分ほどおいて茶こしで濾す。茶殻は水気をしぼって粗く刻む。
2 ボウルに鶏ひき肉、1の茶殻、Aを入れてよく混ぜて10等分する。
3 油揚げはキッチンペーパーで押さえて油を取り、食べやすい大きさに切る。長ネギは4cm長さのぶつ切りにし、ゴボウはささがきにして水にさらしてアクを除く。まいたけは食べやすい大きさにさいておく。小松菜は4cm長さに切る。
4 鍋に1のほうじ茶とBを入れ、3の水気を切ったゴボウを加えて火にかける。沸いてきたら2を丸めながら加え、3の残りの具、うどんも加え、火が通ったらいただく。
▶▶緑茶のはちみつレモンゼリー
1 粉ゼラチン5gと水大さじ1を合わせてふやかしておく。小鍋に緑茶300mLを温め、ふやかしたゼラチンを入れて火を止めて溶かす(沸騰しないように注意)。保存容器などに入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
2 レモン1/2個は薄い輪切りにし、耐熱容器に入れてはちみつ大さじ2を加え、ラップをして電子レンジ(600W)で40秒加熱。粗熱が取れたらディタシロップ小さじ1(あればお好みで)を加えて冷蔵庫で冷やす。
3 ゼリーをスプーンですくって器に盛り、2のシロップをかける。
日
茶殻の食感も楽しい、和の食材を合わせたパスタ
パスタの具材の1つとしても活躍する緑茶の茶殻。オリーブ油とニンニクで炒めて香ばしさをアップ。ウーロン茶の香りを楽しめるおしるこは、寒い日にほっとする味。
しらすと緑茶のパスタ
[材料](2人分)
スパゲティ…200g
塩…適量
オリーブ油…大さじ2
ニンニク…1/2片
緑茶(茶殻)…40g(茶葉10g分)
釜揚げしらす…80g
梅干し(たたいておく)…2個
万能ネギ…5本
[作り方]
1 スパゲティは塩を加えた湯(材料外)で表示より1分短くゆでる。ゆで汁を100mL取っておく。
2 フライパンにオリーブ油、つぶしたニンニクを入れて火にかける。香りが立ってきたら緑茶の茶殻としらすを加えて炒める。
3 1のゆで汁とゆで上がったパスタ、たたいた梅干しを加えて全体を炒め合わせ、器に盛る。小口切りにした万能ネギをちらす。
▶▶ウーロン茶風味のココナッツおしるこ
1 ウーロン茶(茶葉)小さじ1を粗く刻み、ボウルに白玉粉30gと共に入れる。水大さじ1と1/2を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜる。
2 1を6等分にして丸める。沸騰した湯で浮いてくるまでゆでて冷水に取り、ザルに上げて水気を切る。
3 サツマイモ50gは皮つきのまま1cm角に切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で2分加熱する。
4 小鍋にココナッツミルク300mLときび砂糖大さじ1と1/2を加えて温める。2を入れて温め、器によそい、3のサツマイモを加える。お好みで上にきび砂糖をふる。
教えてくれたのは…
大森正司さん
大妻女子大学名誉教授。お茶の科学的な薬効、ルーツ、伝統食品、健康に関する科学的・文化的な背景などについて、50年以上にわたり調査・研究を行う。
石黒裕紀さん
料理家、フードコーディネーター、栄養士。雑誌や企業のレシピ提案・メニュー開発、広告やテレビなどのフード制作・スタイリングなど幅広く活躍中。
撮影/市原慶子 スタイリング/片野坂圭子