【糖化・生活習慣編】老化の元凶・「糖化」っていったい何?あなたの生活習慣をチェック!
最近よく耳にする「糖化」。なんとなく「糖質の摂りすぎは身体に悪い」などのイメージはありますが、影響は「肥満」くらいだと思っていませんか?実は糖質の摂りすぎは、肥満だけではなく、健康面や肌の老化にも大きく影響することがわかっています。そこで今回は、「糖化危険度チェック」も交えながら、原因や対策についてわかりやすく解説します。
「糖化」っていったい何?
糖化とは?
食事などから摂った余分な糖が体内のタンパク質などと結びつき、細胞などを劣化させる現象のこと。糖化によって作られる「AGEs(エー・ジー・イー:最終糖化産物)」が内臓などに作用し、糖尿病や動脈硬化、認知症などの多くの病気や、ハリの低下・黄ぐすみなど肌の老化の大きな原因になることがわかっています。
わかりやすく例えると、身体のコゲ。
例えば、パンやクッキーなどを焼いた時のことを想像してみてください。焼く前は、白くてやわらかく、みずみずしい状態ですが、焼くとこんがりときつね色になって硬くなりますよね。このような現象が、身体の中でも起こるのです。人間の身体の4割はタンパク質でできています。そのため、内臓や骨、筋肉など、全身に糖化のリスクがあります。
パンが焦げるように身体がコゲてしまうことで多くの不調を招き、老化のスピードが速くなったり健康面や美容面に悪影響を及ぼしたりするのです。
最近はダイエットのために糖質を控えている方も多いと思いますが、健康や美容のためにも糖質の摂りすぎは避けた方が良いことがわかりますね。
■生活習慣チェック!あなたの糖化危険度は?
糖化に大きく関係するのは生活習慣。あなたの普段の生活の糖化危険度をチェックしてみましょう。
当てはまるもの全てにチェックしてみてください。
□お菓子やジュースなどの甘いものをよく摂る
□ごはんやパスタ、パンなどの炭水化物が大好き
□人より食べるスピードが速い
□ついつい食べ過ぎてしまう
□野菜はあまり食べない
□運動の習慣がない
□寝る前に食べることがよくある
□血糖値が高め
□朝食を抜くことがよくある
□揚げ物やスナック菓子が大好き
チェックした数が多いほど、糖化危険度が大!
特に、5つ以上当てはまった方は、早めに生活習慣を見直しましょう。
■今日から始めたい糖化対策
先に述べた通り、糖化は体内で消費しきれなかった糖が、身体のタンパク質と結びつくことで起こります。そのため、糖化対策のポイントとしては、糖質を体内に入れすぎないこと・糖質の急激な吸収を防ぐこと・積極的に消費することなどが挙げられます。
それでは、具体的な方法を見ていきましょう。
①糖質を摂りすぎない
まずは糖質の摂取量を適量にするところから始めましょう。特に、お菓子やジュースなどの甘いものが大好きな方、パスタなどの炭水化物メインの食事が多い方、定期的にスイーツバイキングに通うといった大食い習慣のある方は要注意です。単に食事量を減らすというよりは、野菜、魚、肉などをバランスよく食べるようにしましょう。スイーツがやめられない場合は、「低糖質」「ロカボ」「低GI」等の表示のあるものを選ぶのもひとつの手ですよ。
②食べ方や食べる順番を工夫する
血糖値の急激な上昇は糖化促進の大きな原因と言われています。朝食や昼食を抜く習慣のある方や、早食いの方は見直しましょう。食事の際はまず野菜(食物繊維)から食べるようにし、その後、肉や魚(タンパク質)、最後にごはん(炭水化物)という、食べる順番の工夫も有効です。
③調理方法を工夫する
身体の中で作られるAGEsのほか、食べ物自体にAGEsを多く含むものがあります。これを食べることで体内のAGEsが増えてしまいますので、AGEsを多く含む食品はなるべく避けたいもの。特に、同じ食材でも調理法によってAGEs生成量は異なります。高温加熱調理はAGEsが生じやすいため、ローストやフライよりもボイルや生食が良いことがわかっています。また、肉をローストする前に、レモン汁や酢に浸けることでAGEs量の生成が抑制されるとも言われています。
④抗酸化を心がける
糖化はその過程で酸化反応と絡み合っているため、抗酸化効果の高い栄養素(ビタミン類やポリフェノール等)を多く含む食材を積極的に摂りましょう。
⑤運動して糖を消費する
筋肉は、糖を消費してエネルギーを産生することができるため、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を取り入れることが有効です。特に最近は外出自粛や在宅ワークで家にいる時間が増えた影響で、一日中座りっぱなしという人も多いですが、食後に軽くストレッチをしたり、1時間に一度は椅子から立ち上がるようにしたりと、なるべく身体を動かすように意識しましょう。
おいしく楽しく、健康的に
今回は、糖化の悪影響や生活習慣についてお話ししました。
ただし、糖質は身体のエネルギー源となるため、控えすぎはもちろんNGです。また、我慢しすぎてストレスが溜まり、結局お菓子をドカ食い…なんてことにならないよう、無理のしすぎも禁物。おいしく楽しく健康的に続けられる範囲で、少しずつ生活習慣を見直してみてくださいね。
【糖化・肌編】では、糖化による肌への影響や、お手入れ方法について詳しく解説します!
イラスト/二階堂ちはる
取材・文/伊藤幸子